アラフォー女子が海外移住してみたら

貯金だけを頼りにアメリカに移住した経験から、留学、移住に関する情報、驚き体験などをお届けします。

海外生活をサバイバルするために役立つ考え方

私のブログを見てくださっている方は、海外(特にポートランド)に移住したいと思っている方が多いと思います。

今回は久しぶりにブログを書くので、過去を振り返りながら、海外生活をしていく上で知ってよかったと私が思う考え方について書いてみようと思います。

 

 

近況報告

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2021年の年明けはベルリンで迎えました。

2019年の10月に日本に帰国。

翌月11月に祖母が他界。お葬式でお別れの挨拶をし、年が開けて2020年1月に自然栽培茶園のお手伝いのために奈良に移住。

1週間だけベルリンに戻って荷物を持って帰り、3月にコロナ発生。

6月と7月に農園のウェブサイトを2つローンチ。

8月に1ヶ月ベルリンにてパートナーと過ごし、日本へ戻り、3ヶ月過ごす。

再び12月半ばにベルリンに戻り、4月フリーランスビザを取得。

2021年5月現在、日本のクライアントとの仕事をしながらベルリンにいます。

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今回のテーマ「海外生活をサバイバルするために役立つ考え方」について

 

もう随分前の話になりますが、日本のマザーテレサと言われる佐藤初音さんの講演を見に行ったことがあります。

用意されたアンケート用紙に、

「初音さんにアドバイスがほしいこと、聞いてほしいことがあったらご記入ください。」

とあり、私は当時難しく感じていた会社の先輩との関係について書きました。

 

初音さんがくださった答えはとってもシンプルでした。

「あなたががんばるのをやめたらいいんですよ。がんばらなくていいんです。」

そのときに「はっ!」としました。

私は無理をしていたんだと。勝手に自分で背負って、勝手にストレスを感じていたんだと。

 

それでも「他人に好かれるため」「人に怒られないようにするため」「人の機嫌を取るため」にがんばることをやめることはできませんでした。

それが習慣となっていたからです。そういう思考と行動が子供のころから染み付いていました。

 

アメリカに行ってもそのクセは直らず、一番身近なパートナーをはけ口にして、鬱憤をはらしていたように思います。ひどい話です。

 

このクセに本気で気がつき、自分を変えようと決めたのは、ベルリンに住み始めたことと今のパートナーに出会ったことが大きなきっかけです。

 

私のパートナーは、ザ理系人間で、嘘をつくことを嫌い、人の顔色を気にすることもなく、論理的に簡潔に物事を考え、なんでも率直にいう、裏表のない人です。

あまりにも率直な物言いに傷つき、泣いて怒って喧嘩をしたことは数知れません。

 

苦労を経て私が学んだことは、Don't take it personally.  という考え方。

 

どういうことかというと、

「自分自身に問題があるとはとらえない。起こったこと、事実・事象が問題であって、私自身が責められているのではない。」と捉えること。

 

私にとってこの考え方を身につけることは精神の健全を保つために非常に重要だと感じました。

 

もう少しわかりやすくすると、

例えば上司に提出したレポートのミスを指摘されたとします。

「ああ、どうしよう。またミスってしまった。私に能力がないからこんなミスが起こるんだ。」

と捉えるのではなく、

「ミスが起きた。これはよくない。どうしたらミスをなくせるか。」

と考えると同時に、

「私自身がバカだとか間抜けだといわれているのではない。」

と認識する、ということ。

 

私は自己評価が低い人間なので、こうやって意識して認識をする必要があるのです。

(自己評価が高い人には必要ない認識行動だと思います。)

 

そしてもう一つ。返答をそのままの意味で受け取る。返事の裏を読み取る必要はない、ということ。

 

Yesといったけど、本当は違うんじゃないか。気を使ってYesと言っただけであって、心底はNo なんじゃないか。という勝手な推測をして、推測をもとに行動することをやめる。

この勝手な思い込みのために何度もトラブルにあいました。

そう!「空気よめよ」というあの言葉です。日本で育った人、特有の癖だと感じます。

少なくともアメリカとドイツでは空気なんかよまなくていいです。空気をよむとややこしいことになります。やめましょう。

 

 

帰国して日本で過ごしはじめた矢先、コロナで海外に自由に行くことができなくなりました。ここでまた考え方に変化が。。。

ポートランドへ移住してから日本と海外を行ったり来たりしていたので、これからもずっと同じように自由に行き来ができるものだと思い込んでいました。

「誰といたいか」「どこに拠点をおきたいか」を私は真剣に考えたことがなかったんです。

その時その時、したいことがある場所へ、会いたい人がいる場所へ、ただ行きたいところへ行っていた自分。よくいえば軽やかに、悪く言えば軽率に。

 

「決断してから行動を起こすまでのスピードが早くてついていけない」と言われることが度々ありました。

そのことについて考えてみたら、根底に「やってだめだったらやり直せばいい」と思っている、ということに気がつきました。

 

やり直しができないことがあることは知っています。

でも、無駄なことなんてない。失敗もひとつの経験にすぎない。人生に意味などはなく、経験を積み上げていくだけなのだ、という人生観を持って生きてきました。

 

それが日本に住み始めてから「私には他者への配慮や思いやりが欠けていたのではないか」と思うようになりました。

 

自分の思うように生きなさい。人の人生ではなくて、自分の人生を生きなさい。

 

そう。それは正しい。

自分を愛することができなければ他者を愛することなどできないことも、やっと腹から理解できるようになってきました。

でも、好き勝手にやることが自分の人生を生きること、とは言えないように思うのです。

大事な人たちの心を慮って、自分の身勝手をやめる人生も幸せにつながるのではないか、と思うようになったのです。

  

ここまで読んでいただいて、私の考え方の変化と混乱に気が付かれたかと思います。

 長くてすみません。。。

考え方の変化(一貫性の欠如)について

 <東京でOLをしていたころの私>

 「他人に好かれるため」「人に怒られないようにするため」「人の機嫌を取るため」にがんばることをやめることはできなかった。

他人がどう思うかを気にして、他人の反応(予測)をベースに行動をしている。

 

<海外生活から帰国し、1年日本で暮らした私>

好き勝手に海外と日本を行ったり来たりして、「私には他者への配慮や思いやりが欠けていたのではないか」「好き勝手にやることが自分の人生を生きることとは言えないと思う。」

自分勝手すぎるのではないか?

 

考え方に一貫性が欠けています。なぜなのか。

 

日本を出て海外生活をすると、アイデンティティの崩壊が起こります。(少なくとも私には起こりました。)

今まで常識だと思っていたことが常識ではなく、当たり前が当たり前でない現実を生きることになったからです。何を指針にすればいいのか、全くわからなくなりました。

「こうするべき。こうあるべき。」と思っていたことが、そうではなかった、いう事実に直面しました。

そうやって自分の常識が崩壊した後に日本に戻って生活したら、ますます混乱が生じました(苦笑)。

 

そしてコロナ禍にもかかわらず、改めて日本を出て考えて、この矛盾に結論を出しました。

 

何を自分は大事にするのかをはっきりさせ、大切にすること。そして自信をもつこと。

決断し、その決断を貫く信念をもつこと。(英語でいうとPrincipleですね。)

 

海外生活では想像もしていなかった理不尽なことが次々と起こります。でも「いつか海外で暮らしてみたい」と思っている方の背中を押したいと、私は強く思っています。

私が実際に行動をしてみて、想像以上に世界が広がることを身をもって知ったから。

アイデンティティの崩壊も素晴らしい経験だったと今は思います。

つらくて泣いてばかりの日々もあったけれど、世界は矛盾と多様性に満ちていて、善悪という2面でなんて到底図れるものではないことを知り、想像なんてしたこともなかった日々に好奇心が揺さぶられ続けています。

 

 

まとめ

 

長くなりましたが、今回の記事で伝えたかった、海外生活をサバイバルするために役立つ考え方はこちら。

 1.Don't take it personally.

 2.空気はよまない!

 3.何を自分は大事にするのかをはっきりさせ、大切にすること。そして自信をもつこと。

 決断し、その決断を貫く信念をもつこと。

 

あくまでも私が個人的に感じたことですが、もしかしたら、誰かの役に立つかもしれないと思って書きました。最後まで読んでくださってありがとうございます。 

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ベルリンの空の下で。