どうしてアラフォー(当時36歳)でアメリカに移住しようと決めたのか。今改めて考えてみた。
私は2015年の9月末に会社を退職して、10月の終わりにポートランドに引っ越ししました。
4月にポートランドを旅行したときに出会った日本人のお友達におすすめの語学学校をきき、そこに申し込みをして書類を取り寄せて、アメリカ大使館の予約をとって、ビザを取得しました。
ポートランドへ初めて訪れて、7月にNYで自然療法のワークショップに参加して、その後も会社で普通に働いていたのですが、
「私このままでいいのかな」
という疑問が毎日毎日頭によぎって、アラン・ワッツの動画を中毒のように何度もみていました。
そして何度も迷いながらも仕事をやめてアメリカに住もうと決めて、そこからものすごい勢いで準備して、あっという間に日本を出ました。
あの勢いはいったいどこからきたのか、今でもわかりません。
どうしてそんな大胆なことができたのか、日本でもアメリカに行ってからも、いろんな人に聞かれました。
勇気があったからではなくて、私はただあのとき、これから先の明るい未来を考えられなくて、「何かを変えなくてはいけない」というわけのわからない衝動が抑えられなかったのだと思います。
ただ一つ、子供の頃からいつか海外に住んでみたいとは思っていました。
大学生になってからはバックパックを背負ってよく海外旅行に行っていました。
トルコ、インドネシア、タイ、ラオス、カンボジア、南アフリカ、フィリピン、インド、ネパール。どこへいっても、そこで出会った子どもたちの笑顔がみんないきいきとしていて、生きているのがとても楽しそうだった。
私は健康で旅行に行けるような金銭的余裕もある状況なのに、いつだってしょうもないことで悩んでいたので、そんな子どもたちの生命力に触れる度に、
「私、ほんまにくだらんことで悩んでたわ」と気付かされ、元気をもらっていました。
この世の中はおもしろいこと、楽しいこと、美しいことで溢れている。
どん底と思う状況にいたとしても、そのことを思い出して、自分の置かれた状況を違った方向からみることができたら、どん底から抜け出すことができる。
これが私が旅した日々から学んだことでした。
そして私自身が「おもしろい!これはすごい!」と思ったことを世の中に伝えて、旅行ができない人にも、明るい方向へと思考を転換できる手助けができたらいいなあ、そういうことを仕事にしていこう、と決めました。
最初は雑誌社それからウェブに移行して、ウェブサイト運営会社、そして最後は投資教育会社で働きました。(最後のは「なんで?」って思いますよね。でも私の中では筋が通っていたんです。)
そうやって東京で一生懸命働いていたのですが、自分がなぜ毎日必死で仕事をしているのか、何のためにやっているのかすっかりわからなくなってしまっていました。
そして結局のところそんな自分の状況からなんとか脱却したくて、取り憑かれたようにアメリカ行きを決めたのだと思います。
私の決断が正しかったかどうかは今もわかりませんが、
「人生にはそもそも意味なんてものはなく、どれだけのことを感じ、どんな経験をするか、それが人生というものなのではないか」と思っている自分としてはアメリカに行ってよかったと思っています。
私がアメリカに行くことができた前提として、子供がおらず、両親も健康で、長年仕事をさせてもらってつくれた貯金があった。そんな自分の置かれた状況にも感謝しています。
ポートランドに住んで何よりも一番よかったことは、たくさんの友達ができたこと。
心から信頼でき、なんでも話ができる友達ができたこと。
40歳近くにもなってそんな友人ができたことが何よりもありがたい、かけがえのない贈り物です。
もしこのブログを読んでくださっている方で海外に住むことを迷っておられる方がいたら、1週間でもいいからとにかく行ってみて、自分が何をどう感じるかを味わってみてはどうかと思います。
えいや、と動くと物事が動き出します。頭で考えていたことと全然違うこと、いいことも悪い事もとにかく何かが起こります。それからまた考えたらいいんじゃないかなと思います。
偉そうに言いました。ごめんなさい。
こんな個人的な文章を最後まで読んでくださってありがとうございます。